2009年08月17日

他人を利用する人にならないために

「(前略)
ママは秋が嫌い、

いろんなことがあって、
すっかりおばあさんになってしまったわって、
つい愚痴を洩(も)らしたら、

ママはまだ秋じゃない、
夏の真ん中だと真剣に慰めてくれたの」



山崎 豊子著「運命の人(三)」 (文藝春秋)





老人福祉施設で働いているが、
そこに来る利用者さんが私に頼みごとをしてきた。

「東京に行ったとき、
おいしいものを買ってきてくれないかしら」



その方に、
私の実家が千葉だと話した私は、
とてもびっくりした。

もちろん仕事以外の頼まれごとは引き受けられないので、
お断りした。



その方はインテリだし、
認知症でもないのだが、

私は頭がおかしいのではないかと思った。



その方は、
私を呼んでは自分の荷物を持ってきてなどと、
私をパシリとしてよく使うけれど、

以前にも、
公民館に行って代わりに手続きをしてほしいと、
私に頼んだことがあったのだ。



私が老人福祉施設の職員だから、
何でもいうことを聞くと思っているのか、

他人を利用しようとするそのずうずうしさが、
私には頭がおかしいような異常さに思えた。




私が勤務する施設では、
他にも、頭は正常なのにびっくりするような人がいる。


一人では歩けないのに、
自分からトイレに連れて行ってとは言わず、

職員の方から「トイレに行きますか」と声をかけないと、
むくれて、

「もう、ここには来ない!」
と、どなって怒る人。



車椅子に乗ったり降りたりするときにお手伝いするが、
車椅子がほんの少しでも足に当たると、

「イターイ!!」
と、虐待されたように大声で叫んで怒る人。





お年寄りだから、
仕事だからとがまんしているけれど、

こんな大人にはならないように、自分は気をつけなければ、
と思う。




ところで先日、娘のサッカー部の監督に、
草津温泉のお土産を渡したとき、
娘についてこんなアドバイスをいただいた。


「娘さんは技術は向上してきたけれど、
体力がないから試合に出しにくい。


中学生になったら体力もついてくるだろうけど、
今のうちに技術をもっと身に着け、
体力もつけておけば、

中学に入ってから、
他の子より差がついて、うまくなれるよ」




私は、
小学4年生の娘がサッカーをやることで、
少しでも体力がつけばいいな、くらいにしか思っていなかった。

さらに、娘が中学生になるなんて、
想像もしていなかった。


だけど、
今やっていることは、未来につながっているんだよね。





フルタイムで働くようになってから、
とみに体力の衰えを感じるようになった私。


年をとってから、
体が思うように動かなくなって、

前述のお年寄りたちのように、
他人に不愉快な思いをさせるような年寄りにはなりたくない。



それで最近は、勤務の終わった夜に、
夜中遅くまで開店している本屋まで歩くようにしている。

早起きができないから(恥)。


だけど、
千葉の実家に子どもたちをまた長期間、預けたので、
一人暮らしで自由気ままだからできる、というのもあるけどね。




今日は勤務が休みだったので、
栃木県、群馬県、埼玉県、茨城県の4県にまたがる渡良瀬遊水地に出かけて、

2時間も歩いたよ。


老化防止と腰痛予防のために、ね。



そのあと、
群馬県立館林美術館に出かけた。


栃木県には、
ひとつしか県立美術館はないが、
群馬県には2つも県立美術館があるので、すごいなと思いながら、

企画展示「エコ&アート」を鑑賞した。



私の好きな、
日比野克彦氏のワークショップもあったので、
ワクワクして参加した。



また、
CMにも使われるという芝生が見渡せる、
個性的な建築の美術館の建物自体がすごく気に入って、

美術館内のレストランで食事をしながら、
芝生でボール遊びをする母子を眺めた。






心が自立するために、
身体が健康であることは、とても大事な要因のひとつなんだなと、

ヘルパーという仕事を通して知った。





だから40代の今、身体を動かして運動して、
やがてくる老後に、
心までゆがめられないようにしたいと思う。



また、
今ゆがんでいる自分の心も正すように努力して、
未来の自分をステキにしていきたい。



 = = = = = = = = = = = = = = = = = =



今日も読んでくださったあなた、いつも応援ありがとうございます!!





さて今日の本は、
山崎 豊子著「運命の人(三)」 (文藝春秋)です。
http://tinyurl.com/m5gtbg



実在の事件である「外務省機密漏洩事件」を基にした、
全4巻の小説です。


沖縄返還にまつわる政府の機密文書を入手した新聞記者と、
情報を漏らした外務省の女性秘書が逮捕されましたが、

2巻と3巻は、裁判の話が続きます。


主人公が、
言い訳をしないのがあまりにはがゆい。

女性秘書が、
自分の都合のいいように証言したり、
週刊誌に告白したりするのが、憎らしいほど。


挫折が大きすぎると、
人は何年も苦しみますし、
家族も傷つけてしまいますが、

主人公の新聞記者は、彼の妻はどうなっていくんだろうと、
心配しながら、読み進めていきました。






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    2009年08月13日

    旅行話を職場でする方法

    「もちろん無罪が出るんでしょう?」

    「当然だよ、
    無罪を無罪と証明するには法律的に面倒なことがあってね」



    山崎 豊子著「運命の人(二)」 (文藝春秋)





    2泊3日で、
    群馬県草津温泉に旅行すると職場の人に話をしたら、

    「え〜、
    この間、茨城県の海に泊まってきたのに、
    また行くの?」

    「お金はどうしているの?」

    と、
    聞かれたくないお金の話になってしまった。



    それで旅行から帰ってきても、
    あまり大々的に話をしないほうがいいのかなあと思った。




    旅行後に職場に行くと、
    お金の話をしたAさんが、

    「どうだった?」
    と聞いてきたけれど、

    「まあ、楽しかったですよ」
    とにごしてしまった。




    だけどね本当は、

    片岡鶴太郎美術館に行って、
    縮緬(ちりめん)に使うような美しい色使いに感動したことや、

    ガラスのとんぼ玉や箸置きなどのガラス細工体験が、
    ドキドキでとても楽しかったことや、

    ホテルの早朝散歩イベントで、
    ベルツの森のマイナスイオンを吸ったり、
    他のお客さんと話をしたりして充実していたことなどを、

    しゃべりたかった。



    でもAさん以外は、
    私が3連休に何していたかに関心もないのか、

    「何していたの?」
    とも聞いてこなかったので、
    私からも旅行の話はしなかったの。


    だけどやっぱり自分の旅行談を、
    自分から話せばよかったなあと悶々としながら帰宅したのだった。




    それでその翌日は、
    老人介護施設でのアート作りにいつも積極的にかかわるBさんに、

    「片岡鶴太郎美術館に行ったんですよ」
    と話してみた。


    すると、
    「私、片岡鶴太郎が大好きなんですよ!

    あの人、
    自分を変えるためにプロボクサーになったりしたんだよね〜」

    などと話が弾んだ。




    またCさんには、

    「ホテルのビンゴゲームを子どもたちがやったら、
    一番大きな景品のスーパーサッカーゲームが当たったんですよ!

    1回500円の元を取りましたよ」

    としゃべりかけてみたら、


    「元が取れてよかったね〜。
    台風9号のせいで、雨に降られなかった?」

    と、逆に聞かれた。





    自分から話しかけても、

    「ふ〜ん、おもしろくない話ね」
    と無関心な反応だったら悲しいなと、

    自分の体験談を話すのが私はこわかった。



    私は話しべた、
    話題も貧弱だからと、

    他人を会話で楽ませることに自信がないから。




    だけど、
    このメルマガに自分の思いを書いて、
    顔の見えないネット上の人に自分の気持ちを吐き出すだけではなく、


    目の前にいるリアルな誰かに話をして、

    相手のリアクションを目で見て、
    相手がどんな気持ちになったかを感じなければと思って、


    今日は職場の人に話しかけてみたのだった。






    旅行の3日間とも雨に降られ、

    それでも雨の上がった晴れ間に、
    草津温泉の中心地・湯畑やお土産通りを何度も歩き、

    温泉饅頭(まんじゅう)を3回も試食した。



    夜も、
    ライトアップされた湯畑を見に行ったり、

    ホテルのレストランでピアノとサクソフォーンの生演奏に、
    心躍らせたりして、

    ワクワク楽しんだ。





    私は旅行の話や体験談は、
    帰宅した日や翌日くらいまでしか、
    話をしてはいけないと思っていた。

    いつまでも楽しかった話をしていると、
    ねたまれるから。




    だけど何日たってからでも、

    「この間、草津に行ったとき、
    こんなことがあった」

    と、仕事の忙しい合間に、
    Aさんにも、Bさんにも、DさんにもEさんにも、
    話しかけてみようかな。



    Aさんがねたんだなら、
    話をする相手を変えてBさんに話をし、

    Cさんが興味がなかったら、
    Dさんに話してみよう。


    それが、
    いろんな人が集う職場の利点かもしれない。



     = = = = = = = = = = = = = = = = = =



    今日も読んでくださったあなた、いつも応援ありがとうございます!!



    千葉の父と弟が、
    栃木の我が家に来ているので、

    夕食は気張って、仕事帰りにスーパーに寄ってお惣菜を買ってきます。


    今夜は、
    お刺身ととんかつを買って帰ったら、

    弟と子どもたちがにじます釣りに行ってきて、
    持ち帰った5匹を塩焼きにしてよと弟が言いました。


    刺身にとんかつに、きゅうりサラダとスープ、スイカを出す予定だったので、
    塩焼きまで食べられるか!

    とプリプリしながら、
    にじますの腹ををさいて塩をぬって焼きました。



    が、

    にじます、おいしかった!!




    とんかつも刺身も、
    食後のコーヒーもスイカも、

    ぜーんぶ、たいらげてしまった私でした。







    さて今日の本は、
    山崎 豊子著「運命の人(二)」 (文藝春秋)です。
    http://tinyurl.com/m3z9x9


    1972年(昭和47年)5月15日に、
    沖縄県の施政権が、
    アメリカ合衆国から日本に返還された「沖縄返還」のとき、

    政府の機密文書を入手した新聞記者と、
    ニュースソースの女性秘書が逮捕された「外務省機密漏洩事件」に材をとったフィクションです。



    おもしろい!


    全4巻ありますが、

    次は?次はどうなるの?
    と、どんどん読み進んでいきました。


    今一番で、おすすめです!



    ちなみに、
    西山事件を基にしています。

    西山事件とは、
    取材上知り得た機密情報を、
    国会議員に漏洩した毎日新聞社政治部の西山太吉記者らが、
    国家公務員法違反で有罪となった事件です。


    しかし、
    当時の佐藤栄作政権の政府は密約を否定しました。


    さらに裁判では、
    検察が起訴状で、
    西山が情報目当てに既婚の事務官に近づき酒を飲ませた上で性交渉を結んだことを明らかにしたため、

    報道の自由を盾に取材活動の正当性を主張していた毎日新聞は、
    かえって世論から一斉に倫理的非難を浴びることになってしまいました。


    国民の知る権利、よりも、
    セックス・スキャンダルで、

    密約自体の追求が完全に色褪せてしまいました。






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    2009年08月08日

    他人が理解してくれる方法

    極意なんてものはないさ、

    絶えず問題意識をもって、
    アンテナを張り巡らせる、

    つまり努力、集中力、研鑽(けんさん)が三位一体となって相乗効果の上、
    ブツに当たる、

    それが新聞記者だ、
    (後略)」



    山崎 豊子著「運命の人(一)」 (文藝春秋)





    私は、
    いつも人からほめられたくて、
    認められたくて、

    会社では上司、先輩、同僚の目を気にし、
    実家では両親に怒られないようにビクビクしている。



    それで何とか、
    自分自身に自信を持たせようと、
    自分で自分のことをほめようとしているが、

    バカらしく思えて続かなかった。


     

    だけど職場で、
    やっと私に合った、自分をほめる方法を見つけたの!



    ある日の夕方、
    老人介護施設で利用者さんたちが帰宅し、
    掃除の時間になった。


    私は厨房で、
    おやつの片づけをして皿を洗った後、

    トイレ掃除を始めた。


    トイレは男子トイレ、女子トイレ、職員トイレと3ヶ所ある上、
    トイレの数も多いので時間がかかる。


    職員同士で手伝い合いながら、
    トイレやホール、浴室、事務室などの掃除をするのだが、

    この日、
    他の職員はおしゃべりしたり、
    トイレ以外の掃除を数人で行ったりして、

    私のトイレ掃除は退社時間ぎりぎりまでかかってしまった。



    だって誰も、
    私のトレイ掃除を手伝ってくれなかったのよ(怒)!




    職員トイレだけ、
    誰かがやってくれるとか、

    モップ掃除だけ手伝ってくれるとか、
    分担の仕方はあるのに、


    でも一番新入りの私は、
    「手伝って、助けて、疲れたよ〜」

    とは言えなかったのだった。




    だから、うらんじゃったよ〜、
    職場のひとたちを・・・。



    Aさんはいつも、トイレ掃除をやらないんだから(怒)!
    とか、

    BさんはCさんがトイレ掃除しているときは手伝っているのに、
    私には声もかけてくれない(悔)!
    とか。




    でも新入りの私は介護技術が未熟で、
    お年寄りとの会話もうまくできないので、

    掃除くらい他の人よりがんばらなければと思っていた。


    それでも1時間半も、
    誰ともほとんどしゃべらずに掃除していたら、
    疲れて、悲しくなった。



    けれどもそのとき、
    私は自分で自分をほめ続けたの。


    「ちほりん、よくがんばっているね」

    「ちほりん、えらいね〜」

    「ちほりん、疲れたでしょう。
    よくやったね」

    と。



    まるで、
    Aさんが私に言ってくれているように。

    まるで、
    Bさんがほめてくれているように。

    まるで、
    Cさんが私を認めてくれたように、


    私は自分で自分をほめて認めて、
    応援し続けた。





    私は、他人からほめてもらいたい。


    でも、
    どんなにがんばっていても、

    ほめてくれる人なんて、いないのが現実。



    だから疲れちゃう。
    だから、ストレスになる。

    だから、
    もっとがんばったらほめてくれるかもしれないと、
    がんばりすぎてくたびれてしまう。




    だからね、
    ほめてもらいたい人がこう言ってくれたら幸せ♪

    という言い方を、
    自分で自分に言うことにしたの!






    それ以来、
    自分で自分をほめ続けることができているのよ。



    もうちょっとこうすればよかったかな、
    と思っても、

    「ちほりん、よくやっているよ。
    すごいよ!」

    とDさんになったつもりで自分に心の中で声をかけるの。



    そうしていると、
    自分が何を他人に認めてほしかったかも、
    自分で心の中をのぞけるようにもなってきた。


    へたでも、
    一生懸命やっていることを認めてほしかった。

    上手に会話はできないけれど、
    誠意をもって接していることを理解してほしかった、


    と、
    自分のがんばりを自分で認めてあげられるようになってきたんだ。





    このやり方は、
    人目を気にする人には、
    なかなかいい方法だと思う私です!



     = = = = = = = = = = = = = = = = = =



    今日も読んでくださったあなた、いつも応援ありがとうございます!!





    さて今日の本は、
    山崎 豊子著「運命の人(一)」 (文藝春秋)です。
    http://tinyurl.com/n4yjwu


    売れている本ですが、
    おもしろい!!

    ノン・フィクションが好きな方には、
    超おすすめです!!


    沖縄返還にまつわる政府の機密文書を入手した新聞記者と、
    ニュースソースの女性秘書が逮捕された「外務省機密漏洩事件」に材をとり、ひとりの男の挫折と再生のドラマ



    山崎豊子さんといえば、

    85年の御巣鷹山事故の衝撃を出発点に、
    日本を代表する航空会社の凄まじいまでの腐敗を描いたノンフィクション・ノベル「沈まぬ太陽」や、

    日本人残留孤児で、
    中国人の教師に養われて成長した青年のたどる苦難の旅路を、
    文化大革命下の中国を舞台に描いた大河小説「大地の子」

    また大学の医学部を舞台にした「白い巨塔」などなど、


    力作ぞろいで、
    数多くの作品がドラマ化されています。







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